古箪笥 再生・修復(修理):事例2 嫁入り道具に持たせようか
左の写真は、修理前のもの。
3段積みの上部2段です。
もう一棹も良く似た作りのものです。
写真の箪笥は、正面も側面も桐材が使ってありました。
もう一つの方は、正面は全て桐材が貼ってありましたが、他は全て桧が使われていました。
杉材が使われていることが多いのですが、やはり土地柄のようです。
良質の桧が手に入り易かったのではないかと思います。
修理前の裏板の状態。
多くの箪笥は釘(木釘や鉄釘いろいろです)で止めたモノが多いです。
板が乾燥により収縮すると、動きが取れないため、割れてしまいます。
抽斗(ひきだし)の底板。
この場合も裏板と同じ原因で割れると思われます。
また、釘打ちの際、下穴をあけずに釘を打つとクラックが入り易く、このクラックが大きな割れに成長する場合もあります。
修理で釘(主に竹釘)を使う際は、下穴をあけ割れを防ぎ、浸透性の接着剤を穴に入れてから
釘打ちします。少しでもクラックの成長を止めるためです。
割れは切り取ってしまいます。
切取った幅より少し大きめの板を用意しはめ込む板の接着面を木殺しといって
少し潰し、接着剤を塗りすばやくはめ込みます。(叩き込む感じです)潰したところが圧接される訳です。
少し厚めの板をはめ込み、接着剤が乾いてから、カンナで厚みを元の高さまで削ります。
抽斗も同じです。
割れの補修が完了したら、外観を綺麗にします。
金具の状態が良い場合は、金具は外しません。
ご要望により、金具を全て交換することも可能です。
ただ、金具も箪笥の顔であるので想い入れがある箪笥の場合は金具も活かしたいと考えています。
(錆などで朽ちかけたものは交換します)
金具交換を行わない分、修理代もお安くなります。
外観が綺麗になったところで塗装を行います。
金具を変えない、鉄釘が使ってあるなどの場合、水性塗料は使いません。
また長年の乾燥により、人間の肌と同じで潤いが失われています。
そこで植物オイルのクルミ油を使います。浸透性も高いのです。
クルミ油は、乾性油と言って乾燥の工程で酸化・重合により高分子となり丈夫な塗膜を形成します。
また、乾燥後の変色も少ないので仕上がりが美しいです。
ただ、古い箪笥の修理の場合、仕上がりをアンティークに(黒っぽく)というご要望が多いので
クルミ油にべんがらを(色調を合わせ)入念混ぜ合わせ、摺り込む様に塗り上げます。
少々、乾燥に時間はかかりますが、乾燥後の仕上がりは非常に美しいです。
今回は、色調は黒くなく初めて手元に届いた時の様な色でということだったので少しクリームがかた色調に合わせ塗り上げました。
上の写真の箪笥がこのようになりました。
上段の引き戸の部分は和紙が張ってあります。
この部分はおまかせだったので少々おとなしく。
色は白ですが、点に見えるところは貝を貼り、草むらに光る蛍をイメージしました。
こちらは、「娘が嫁ぐ際に持たせようかな」と言って頂きました。
どちらも、これからも長く使っていただけるのだと思います。
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上記修理費用
三段積み
・板割れなど補修
・汚れ落し(サンディング、うづくり)
・塗装(オイル+べんがら)
・上段:引き戸鏡板 和紙張替え
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修理費用
¥150,000-
三段積み
・板割れなど補修
・汚れ落し(サンディング、うづくり)
・塗装(オイル+べんがら)
・一部金具(隅金具)交換
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修理費用
¥150,000-